捨てられないのです・お土産
旅の楽しみのひとつに、お土産選びがあります。
大切な誰かの顔を思い浮かべながら選ぶのも楽しいけれど、私は自分へのちょっとした記念も忘れません。遠くまで出かけた思い出を、手のひらに残る小さな形にして持ち帰ります。
最初に行った鳥取砂丘。
広がる砂丘の風景に感動して、近くのお土産屋さんに入ったら、砂時計が目に入ってきました
鳥取砂丘の砂が入っていて、名前を刻んでもらえるサービス付き。
その時の風景と気持ちを閉じ込められるような気がして、迷わず選びました。
左が古い方です。

ずっと以前から、紅茶を淹れるときに使う砂時計の代わりを探していたのです。
家にある古い3分計の砂時計は、色もくすみ、少しずつ年季を感じさせるようになっていました。でも、なかなか手放せずにいたものでした。
思えば、その砂時計は雑貨屋さんで何気なく買ったもの。
特別高価でもなく、どこにでもあるようなものでしたが、気づけば50年近く使っていました。
使い勝手が良くてそこにあるのも気にならないような感じでした。
けれど、いざ新しい砂時計の箱を開け、古いものを処分しようとした瞬間、不思議な感情が湧きあがってきました。
どうしても、捨てられないのです。
あの砂時計は、毎朝のお茶を淹れる時に必ず使っていたもの。
愛着がないわけがないのに…、今更気付きました。
自分の気持ちがうまく整理できず、そんな自分に少し驚きました。
思い出に優劣はつけられません。
新しい砂時計は、朝のストレッチタイムに使うことにしました。
紅茶には、これまで通り古い砂時計を。
これで、どちらにも居場所ができたようで、心がふっと軽くなりました。
砂が落ちる音は聞こえないけれど、目に見えない時間の流れを、これからも静かに感じていけそうです。
娘が「お母さんの好きそうなのを買ったよ」と
私にお土産を買ってくれました。

出雲大社境内のお土産店で。